西涼の巻・第六回:袁公路、北郷の口中に蜂蜜を求めんとすること

1 2 3 4

 時が止まったかのような沈黙の中、美羽の瞳も俺の瞳を見つめ続けて一瞬たりとも離れようとしない。
 その碧の瞳に彼女を覗き込む俺が映っている。おそらくは、彼女も同じように自分の像と対面しているだろう。
「意味、わかって言っているんだよな」
「当たり前じゃろ。妾をなんと心得る」
 彼女は自分は大人だと言っている。
 そして、この場面でのそれは……。
「本気なんだな」
「くどいのじゃ」
 そう言い放った後で、不意にうつむく顔。
「興味がないと言うのなら……」
「いや、そうじゃない」
 膝の上の体を、ぎゅうと抱きしめる。その腕に伝わる彼女の体の感触が、やはりもう子供ではないことを伝えていて、一抹の寂しさを覚える。
「そ、そうか」
 小さくごにょごにょと呟いた後で、自分の体を抱きしめている俺の腕に、指で触れてくる彼女。そのおずおずとした、けれど触れずにはいられない、といった動きが、なんだか面白いものを見つけた時の子供のようで。
 なぜだろう、その仕種を見て、俺は心を決めた。
「全部俺に任せてくれるか?」
「当たり前じゃろ。妾は何も知らんのじゃ。佳い男は、女をうまく導き誘うものじゃと七乃が言うておった。だから、一刀、良きにはからえ」
「はは。さすが七乃さんだな」
 俺は彼女を膝から下ろす。美羽はおとなしくそのまま立っていてくれたので、改めて抱え上げる。これまでしたことのない、膝と背中を支える抱き上げ方――いわゆるお姫様抱っこで。軽く促して、彼女の腕を俺の首に回させ、姿勢を安定させる。
「むぅ、寝台に行くくらい、歩いていってもよいじゃろ」
「こうしてくっついて行くのがいいものなのさ」
「ほー……。そういうものかや」
 美羽は知らないこととて、本当に素直だ。
 実際のところ、美羽は不意に思いついたわがままを言う時以外、基本的に素直に言うことを聞く。ただし、本当に聞いているだけで、実行が伴わないことや、次の日には忘れていることも多いけれど。
 寝台にはすぐに着く。なにしろ、洛陽の部屋でもない。南鄭の城内の一室を借りているだけだから、仕事机と食事をする卓、寝台くらいしかない部屋なのだ。
 寝台の端までくると、向きを変え、彼女を抱えたまま腰掛ける。再び膝の上に乗る形になった美羽は、じっと俺のすることを見つめている。
「緊張していたりする?」
「なんでじゃ?」
 きょとんとした顔で尋ね返される。
「初めてのことだからね」
「そんなもの、いくらでもあるじゃろ。城を追われて以来、毎日毎日新しいことばかりじゃ。かえって退屈せんでいいぞ?」
 それから、そっぽを向いて小さな声で続ける。その顔が少し赤らんでいるのが見えた。
「さっき一刀に……を言うた時のほうがよほどどきどきしておったのじゃ」
 あまりに小声で一部聞き取れなかったけれど、先程の告白のことだろう。たしかに、そこまで冷静でいられたらびっくりしてしまう。しかし、頬を染めてそう呟く美羽は、あまりに可愛らしかった。
「こっち、向いて」
「ん」
 顔を戻すところで、彼女を引き寄せ、唇を重ねる。目を丸くして、一瞬体を固くする美羽だったが、なにをされているか理解したらしく、首に回した腕を俺の肩と腕にかけなおし、目を閉じる。
 唇をただ重ねるだけのキス。
 だが、その触れる口唇の柔らかさはなによりも俺に、美羽が──これまで小さな妹のように思っていた少女が、一人の肉を持つ女だということを伝えてくれる。
 なんだかぷるぷる震えだしたので、一度口を離すと、ぷはああっ、大きく息を吐き、急いで息を吸い込む美羽。
「鼻で息していいんだよ?」
「そ、そういうものかや」
 美羽は素直だが、これからなにが行われるかうまく想像できずに、どう動いていいかわからないらしい。緊張してがちがちの状態や、暴走されてしまうよりはましだが、少々やりにくい。
 うまく彼女を誘導する方法はないかと考えて、すぐに思い当たる。彼女を膝の上から下ろし、寝台に座らせた。
「少し待っててな」
「うむ……?」
 食事や雑務用の卓に七乃さんが置いていった蜂蜜壷を手に取り、封を開ける。指をつっこんで蜂蜜を一掬いし、口に含む。
 甘い。甘みが舌の上から広がっていくようだ。
「ずるいのじゃ。妾も舐めたいのじゃ」
 腕を振り上げて抗議する美羽。普段は美羽のご相伴に与ることはあっても、俺から蜂蜜を舐めたりしないだけに、かなり驚いて、裏切られたかのように目を見開いていた。
「うん。だから、とってごらん」
 舌の上に蜂蜜を溜め、口の中を見せつけながら、そう言う。とっれこらんとなっているのは、まあ、ご愛嬌だ。
 寝台に近づいていく俺を見ながら、美羽は何事か考えていたようだ。寝台脇の台に俺が蜂蜜壷を置くと、何事か悟ったように、ぽんと手を打ち合わせる。
「うむ、悪逆非道の一刀から蜂蜜を奪い返してやるのじゃ!」
 ふざけた調子で言って、自分で笑い転げ、その後、隣に座った俺の頬に手を伸ばす美羽。その碧の瞳が潤み、灯火に煌めいて、そのことに俺はどきどきしてしまう。
 引き寄せる小さな手に合わせて体を寄せる。まず、鴇色の舌が突き出て、口の周りをぺろぺろと舐め回された。少しくすぐったいが、美羽の舌が触れる感触は気持ちがいい。
 次いで、さらにぐっと引き寄せられ、唇が重なり、その間から、舌が侵入してくる。俺の舌の上の蜂蜜を舐め取ろうとするので、こすりつけるようにしてやる。美羽の舌は、俺の舌と絡み合い、たまに自分の口の中に戻って、ごっくんと口の中のものを飲み込んでいる。
 部屋の中には、俺と美羽の立てる息の音、そして、二人の口の中のくちゅくちゅという水音だけが響く。
 もはや蜂蜜などなくなっているというのに、美羽は俺の口内を舐め回すのをやめない。その胸が大きく動き、荒い息が口の端から漏れるのも気にならないようだ。
 俺は口の中に唾をいっぱい溜めると、美羽の中に流し込んだ。
「はふぅ……」
 少し開いた口の端からそんな溜め息のような声を上げながら、彼女は俺の唾をそのまま喉に落としていく。
「……一刀の口の中は甘いのぉ」
 美羽は口を離すと、息を整えながら呟いた。なぜ、自分の息が荒くなっているのか、いま一つわかっていないようでもあった。
「体の中に蜂蜜でも隠しておるのではないか?」
「どんな体質だ。でも、俺も美羽の舌は甘く感じるよ」
「そ、そうなのかや?」
 びっくりする美羽の耳元に口を近づけ、囁く。
「大好きな娘の体はどこも甘く感じるものさ」

「そ、それで次はどうするのじゃ」
 蜂蜜を使って何度か口づけを交わした後、焦れたように美羽が叫んだ。
 美羽の体も赤く染まって、息もずっと早いままだし、彼女の言う通り、そろそろ次に行ってもいいかもしれないな。
「まずは服を脱いで……」
「ん、そうか」
 言うなり、彼女はさっさと立ち上がり、服を脱ぎ始めてしまう。ああ、そのひらひらの服って、だいぶ簡単に分解できるんですね。
 やはり、従姉妹――で実は姉――の麗羽と同じく、多くの人間にかしずかれ、着替えも多くの人間の手で行われていたせいか、その手の羞恥心は薄いのだろう。
 ただ、美羽には、脱がせるのも楽しみなのだということをいつか教えてやらないといけないだろう。
 そんなことを思いつつ、早々とすっぽんぽんになってしまう美羽を見ていると、こちらも脱がないわけにもいかない。
 お互いに服を脱ぎ向き合うと、半ば立ち上がりかけた俺の男性器を見て、美羽が声を上げる。
「おぉ、それが男のものか」
「うん。びっくりしないでくれよな?」
 知識のない娘ということで、詠との初めての時の記憶が蘇る。あれは、痛かった。
 本当に。
「うん? じゃが、本物を見るのは初めてじゃのぅ」
「本物?」
 その口ぶりに疑問を抱く。すると、身振り手振りを交えつつ説明してくれる美羽。
 彼女の話によれば、不思議な蜂蜜を舐めたせいで、美羽自身と七乃さんに男性器が生えたことがあったそうだ。いい加減この世界にも慣れたと思っていたが、さてさて、まだまだ不思議が隠れているものだな。
 ともかく、生えてしまったものをなんとかせねばならない、と色々した結果、精を放てばなくなるのではないかということで、美羽のために七乃さんが処女を捧げる結果になったらしい。
 七乃さんからすれば、ある意味千載一遇の機会だったのかもしれないけど。
「それで、なくなったんだ?」
 美羽の体を見ても、そんなものは生えていない。まだまだ成長途中ながら、綺麗な女性の体をしている。
「うむ、妾はの」
 頷く美羽。でも、何度も抱いたけど、七乃さんにもそんなのなかったけどな。
「七乃の時はのぅ、なにしろ妾が舐めたあとじゃったからな。量が少なかったのであろ。妾が手でしてやったら、すぐにのうなってしもうた」
 ああ、そういうことか。美羽と七乃さんの体の大きさも違うから、効きも違ったのだろう。
 しかし、精を放てる男性器が生える蜂蜜なんて便利なもの、華琳が知ったら、山狩りしてでも手に入れそうだな。いや、蜂蜜だからそうなったというより、そういう不思議な蜜を作り出す花かなにかがあると考えるべきか。
「じゃから、生来の男のものを見るのは一刀が初めてなのじゃ」
 美羽はじーっと俺のものに釘付けだ。怖いとかそういう感覚はなく、ただ珍しいものを見て興奮しているように見える。
「触ってみる?」
「う、いいのかや?」
「強く握ると痛いからね」
 美羽を寝台に跪かせ、俺は寝台脇に立つ。
「うむ……」
 おずおずと指で触れてくる美羽。その刺激に反応して、少し大きくなり、持ち上がる逸物。
「おぉ?」
「興奮すると、大きくなるからね。いまはまだ大きくなりきってない状態だよ」
「こ、これ以上? 妾の時は、いまのこれより小さかったように思うのじゃが……」
 本物はすごいのおなどと言いながら、また触れてくる美羽。そのたどたどしい指の刺激が、俺の興奮を募らせる。
 とはいえ、あまり一気に大きくすると驚かせてしまうだろう。俺はなんとか興奮を制御しようと頑張っていた。
「ちょ、ちょっと待ちやれ。ということは、これが妾に入るということかや?」
「あー、うん。そういうことになるね」
 段々と大きくなっていくものを見ていてようやく思い当たったのか、急に顔を青ざめさせた美羽が叫んだ。
「こ、こ、こ、壊れたり?」
 声がうわずって、言葉も途中で切れてしまっているが、言いたいことはわかる。
 驚きながらも言われた通り、力を入れずに指を絡めている美羽の頭をゆっくりとなでる。
「ちゃんとほぐしてから入れるから大丈夫だよ。本当に無理そうならすぐやめるって約束する」
 破瓜の痛みはしかたないにしても、それ以上のものを与えるつもりはないからな。美羽の体は小さめだし、受け入れられない可能性もある。その場合は当然取りやめるつもりだった。
「そ、そうか。ならばよいのじゃ」
 その後で、可愛らしく首をかしげる。
「しかし、実際、どれほどになるのかの?」
「ん、見てみる?」
 こくりと頷くのに応えて、腰に力を込める。みるみるうちに太さと長さ、それに硬度を増して、腹にくっついていく俺のものを凝視し続ける美羽。
「ひぅっ」
 彼女はそう小さく叫んで硬直した。

 固まってしまった美羽を再び解きほぐすのはなかなか骨が折れた。しかし、ずっと抱きしめて、いろんなことを話し、キスを体中に降らせていると、ようやく落ち着いたのか、俺の愛撫に応えて身をよじるようになった。
「ふみゅう。なんだか、体が、あつい、の、じゃー」
「それでいいんだよ。そうして、体が俺を受け入れる用意をしてくれてるんだ」
「おまたがなんだか変なのも?」
「うん、そう」
 お腹をさするようにしてから、金色の毛がうっすらと生えたその場所に手を進めていく。知識がまるでない分、忌避感や羞恥心がなく、ただ、あるがままに受け入れてくれているのがありがたい。
「ふみゅ、はふ、なぁう……」
 なんだか猫のような喘ぎを漏らしながら、俺の動きに応じる美羽。秘裂に触れると、すでに潤んでいた。快楽は花開いていなくとも、体のほうは準備を整えてくれているってことか。
 ゆっくりと入り口を開くように、陰唇をなぞる。美羽自身の液を塗りつけて、滑るようになであげていく。
「そこ、いじられると、なんだか、変、なの、じゃあ……」
「そうしているからね」
 言いながら、おでこにキスをする。美羽も俺の肩に唇をあて、すがりつくように腕を回してくる。
 そのまま、その場所を愛撫した。恥丘から陰唇全体を包み込むようにして、温めるようにゆっくりと。
「どれ、くらいっ、にゃあっ、する、のじゃ……?」
 自分の中に生じている初めての感覚に不安を覚えているのか、小声で尋ねてくる美羽。
「そろそろ大丈夫かな」
 美羽の性感の発達具合から考えて、初めての挿入でなんらかの快感を得るのは難しいだろう。ならば、まずは慣れるためにも、不安を払拭するためにも一度終わらせてしまうのがいいだろう。
「少し痛むかもしれないよ」
 体を起こし、逸物を彼女の桃色の秘肉にあてながら言う。だが、彼女は笑顔を浮かべて見せる。
「しかたないであろ。一刀に……妾をあげたいのじゃ」
 その言葉に耐えきれず、俺は腰を進めた。抵抗を感じながら、狭い肉の隧道を押し広げるのを止められない。
「いたっ、痛いのじゃあっ、一刀ぉっ」
 美羽は体をよじり、けれど、俺が彼女の体を押さえるのには抵抗せず、声を上げる。その声に胸が痛みながら、亀頭を包み込む肉の温かさと快楽にも抵抗できない。さすがに全部は入れず、半ばまでいったあたりで少し抜き出し見下ろせば、俺のものに絡む美羽の液に、じわりと赤い色が混じっているのが見えた。
「入ったよ、美羽」
「うん。一刀、一刀ぉ」
 手を開いて呼んでくるので、体を倒し、抱きしめる。その目の端に溜まった涙を舌で舐めとってやる。
 少し、塩辛かった。
「嬉しいよ、美羽」
 謝るのはなにか違うだろう。そう思って、そんな言葉を発する。
「いたい、いたいけどっ」
 わめきながら、美羽は泣き笑いのような表情を浮かべる。
「妾も嬉しいのじゃ!」
 彼女はそう誇るように言い放った。
 痛みを与える俺を責めていいのか、喜んでいいのか、よくわからないといった表情で。

 俺と美羽は繋がったままで、寝台の上でぽつぽつと言葉を交わしあっていた。
「むぅ? 二度も出したのに、妾の中で、まだ大きいのう?」
 腹をなでるようにしながら、美羽が意地悪な笑顔を浮かべる。
「はは。美羽が気持ちよすぎてね。まあ、さすがに今晩はこれ以上するのは美羽がきついだろうけど」
「うむ。ちょっとお腹が変な感じなのじゃ。二度目はなんとなくふわふわして気持ちよかったのじゃが」
「それがもっと気持ちよくなるようになるよ。慣れていけばね」
「うむ。頼んだのじゃ」
 楽しそうに笑う美羽を見ていると、こちらも自然と笑顔になる。つい、その美しい金髪の頭をなでてしまう。
「で、今日のところは、妾が手や口ですればよいかの?」
 俺のものが入っている自分の下半身を覗き込むようにして尋ねてくる仕種も可愛らしい。
「いやいや、美羽はもう充分がんばったから。ちょっと、抜くよ?」
「んっ、くふぅ……」
 猫が喉を鳴らすような鼻にかかった声。俺は、彼女の中から完全にそれを抜き出すと、立ち上がり、出口の扉に向けて早足で向かった。
 なんじゃ? と寝台の上で上半身を起こす美羽をよそに扉を開け、その陰にいた人物を見下ろす。
 彼女は大きな目をさらに見開き、驚きと羞恥の入り交じった顔で俺を見上げていた。股間に入り込んでいた指を急に引き抜いたせいで、妙に大きく水音が響いた。
「美羽はがんばってたよね。ね、七乃さん?」

1 2 3 4

西涼の巻・第六回:袁公路、北郷の口中に蜂蜜を求めんとすること」への4件のフィードバック

  1. 誤字報告を。先ずは「黄巾の乱はもう起きない、か」→「黄巾の乱はもう起きない。か」ここは、句読点(、)より句点(。)の方が締まりが良いのでは? 続いて「ええ。風たちが起起こしません」ですが「ええ。風たちが起こさせません」ですね。「起こしません」では風たち(この場合、三国同盟かな?)が乱を起こす事になります。
    処で、前回(西涼の巻・第5回)の最後の場面で風が歌っていたのは「合言葉は・・・ぷにぷにぷー!」ですか?

    •  コメントありがとうございます。
       まず、第五回の歌は仰るとおり、ぷにぷにぷーのつもりですが、歌詞を出すのはまずいよなあということで、ぼやかして書いておりますw
       あの歌かわいいですよねえ。上手いしw
       誤字報告のほうもありがとうございました。なおしておきますです。

  2. ああ、やっぱりキャラソンでしたか(笑)
    風ちゃん好きには、ニヤリとさせるネタですね。

    ニコ動で、聴いたことあるけど、キャラコレ!ってやつで
    風と稟の踊り付きだったのが面白かったな~。
    稟のパートで風が居眠りするので、この話ではフルで演ってたと思うと、
    稟が居なくて大変なのも納得。

    あと、華雄。それ以上いけない(笑)

    •  歌うだけじゃなくて踊りもとなると大変ですよねー。
       特にダンスは体が小さい人は振り付けが大きくなる傾向にあるので、風は大変でしょうw
       恋姫のキャラソンは楽しいのが多くてよいです。
       風と稟のキャラソンについては、中の人たちが歌うことに慣れてるのも大きいですなw

       華雄さんは、自分の声が鈴々に似てることにも気づいてしまいそうなお人。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です