五十皇家にはいくつかの集団が存在する。
この中には正式に国家の機構として定められたものと、後代の歴史家や市井の人間が便宜のために呼んでいるものが混在している。
しかしながら、皇家同士の繋がりに関する理解のためには正式では無い呼称も有用であると考える。
そこで、本書で使われている名称とその簡単な性質について、ここで述べてみよう。複数の集団に所属する皇家があることに注意されたい。
七選帝皇家[公式]
劉備を祖とする靖王劉家を筆頭とする七つの皇家。次代の皇帝を選抜する重要な国家機構。
各皇家にはそれぞれ皇帝の資質を審査するための膨大な技術、知識の蓄積があると言われる。ただし、そのほとんどは門外不出であり、明らかになっていない。
靖王劉家
周家(後に鳳家)
郭家
呂家
陸家
陳家
小馬家
の七家で構成する。
周家から鳳家へと地位が譲られたのは、周家出身の明帝の登極によるものである。
東方八家[準公式]
東方殖民の中心となった八つの皇家を言う。
国家機構ではないものの、公式文書でもこの名で記されることが多い。なお殖民には他の皇家からも多数の人員が参加したが、直系自体は旧地に残った場合、東方大陸の皇家とは言われない。
李家
楽家
于家
許家
典家
華家
東方呂家
東方黄家
の八家によって構成される。
三皇[非公式]
魏公、呉公、蜀公の公位を世襲する三つの皇家を言う。
曹宗家
孫世家
靖王劉家
の三家で構成される。
公式の概念では無い。
央三王[非公式]
本土に存在する、幽王、西涼王、仲王の王家三つを言う。
公孫家
王馬家
南袁家
にて構成される。南蛮王たる孟家を加え、四王と呼ぶ場合も。
これも正式にはそれぞれの称号がしっかり記される。
十指[準公式]
後に帝国十本指と呼ばれる十の巨大国家を支配する皇家。なお、一つの国に支配皇家が複数いる場合があるため、十指と言っても十家ではないことに注意。
北袁家
張家
道天家
道人家
道地家
厳家
魏家
黄家
小孫家
楽家
東方黄家
の十一家を数える。
帝国全体のことを論じる場合には公式文書でもよく用いられた。
その他の小集団
北袁家集団、南袁家集団、道家集団(道三家)、曹家集団、孫家集団、董家集団など、北郷朝成立前の主従関係、血縁関係などを保持した集団が複数存在し……(後略)